税務・会計情報

「復興特別法人税」の創設

 ここ数日、すっかり秋らしい気候になりました。
 涼しいというか、朝晩は寒さも感じますが、暑がり屋の私にとっては、非常にありがたいことです。
 今回の担当は「税理士 中嶋昌啓」です。

 前回の「復興特別所得税」に続き、今回は「復興特別法人税」について問答式でご説明します。
 なお、増税の話ばかりでは心苦しいので、法人税の減税(税率の引下げ)関係も、併せてご説明します。

【概要】
〈Q1〉「復興特別法人税」は、どのような法人が対象になるのですか。
〈A〉 法人税の申告をしている、全ての法人が対象になります。

〈Q2〉「復興特別法人税」はいつから納めることになりますか。
〈A〉 原則として、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間(以下「指定期間」といいます。)内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後3年を
    経過する日までの期間内の日の属する事業年度とされています。
    例えば、「3月末決算」の場合は、「平成25年3月決算、平成26年3月決算、平成27年3月決算」、「2月末決算」の場合は、「平成26年2月決算、平成27年2月決
    算、平成28年2月決算」、の「3事業年度」が対象になります。
    なお、新設法人、事業年度の変更、合併法人等の対象事業年度は、別途規定があります。
    
〈Q3〉「復興特別法人税」の税率は何%ですか
〈A〉 「課税標準法人税額」の「10%」です。
  算式にすると
   『復興特別法人税額 = 課税標準法人税額 × 10%』になります。
   
  ※1 「課税標準法人税額」とは、「法人税額」から「法人税額の特別控除額」を差し引いた金額になります
     「別表一(一)」を使用する法人の場合、『「4」欄の差引法人税額』の金額です。
    なお、「別表一(一)」の「5」欄(連結納税の承認を取り消された場合等における既に控除された法人税額の特別控除額の加算額)の金額がある場合は、その金
    額を加算した額が「課税標準法人税額」になります。
  ※2 前回ご説明した「復興特別所得税の額」、及び「外国税額の控除額」を差し引いた金額が、実際の「復興特別法人税」の納付額になります。

〈Q4〉「法人税率の引下げ」の内容等について教えてください。
〈A〉 「復興特別法人税」と同じ、平成24年4月1日以降開始する事業年度から、法人税率が引き下げられました。
    普通法人等                ・・・30% ⇒ 25.5%
     中小法人等の軽減税率(法人税法)・・・22% ⇒ 19%
        〃      (租税特別措置法 )・・・18% ⇒ 15%
  ※上記「租税特別措置法」の税率は、平成27年3月31日までの間に開始する事業年度に適用されます。

   (具体例…普通法人等) 3月31日決算、所得金額100万円の場合
    ① 中小企業等の場合
      24年3月決算 1,000,000円×18%=180,000円・・・法人税額
      25年3月決算 1,000,000円×15%=150,000円・・・法人税額
                150,000円×10%= 15,000円・・・復興特別法人税額

 ② 中小企業等以外の場合
      24年3月決算 1,000,000円×30%=300,000円・・・法人税額
      25年3月決算 1,000,000円×25.5%=255,000円・・・法人税額
                 255,000円×10%= 25,500円・・・復興特別法人税額

   ※ 「復興特別法人税」は創設されましたが、「法人税率が引き下げられた」ため、所得金額が同じ場合、原則として納税額は少なくなります。


【手続等】
〈Q5〉「復興特別法人税」の申告は、どのようにするのですか。
〈A〉 「復興特別法人税申告書」を作成し、法定申告期限(法人税申告書と同一日)までに、所轄の税務署長に提出することになります。
    なお、「法人税申告書」について「法人税法等の規定による申告書の提出期限が延長されている場合」には、「復興特別法人税申告書」の「提出期限」は、その
   「延長された提出期限」となります(法人税申告書と同一日)。

〈Q6〉「復興特別法人税」の申告書は、必ず提出しなければならないのですか。
〈A〉 〈Q3〉でご説明した「課税標準法人税額」がない場合には、「復興特別法人税申告書」を提出する必要はありません。
    ただし、当初申告(期限内提出)が欠損申告等のため「復興特別法人税申告書」の申告書を提出していない場合に、当初申告に誤りがあり、修正申告等によ
    り「課税標準法人税額」が発生した場合に提出する「復興特別法人税申告書」は期限後申告となり、「無申告加算税」の対象となります。
    このため、修正申告等を考えた場合には、『課税標準法人税額 0円』の『復興特別法人税申告書』を『期限内に提出』しておけば、万一修正申告する場合でも
   「過少申告加算税」の対象となり、期限後申告に比べ、加算税額、延滞税額が少なくなる場合がありますので、『「復興特別法人税申告書」の提出をしなくてよ
    い場合』でも『課税標準法人税額 0円の期限内申告書の提出』をしておきましょう。
    また、前回ご説明したように、「復興特別所得税の額」は、「復興特別法人税の額から控除する」こととされていますが、「控除しきれない復興特別所得税の額が
   ある場合」には、「復興特別法人税申告書を提出」することにより、還付を受けることになりますので、この場合でも、「復興特別法人税申告書」を作成して提
   出しなければなりません。

〈Q7〉法人の場合、利子、配当金等を受取る際に源泉徴収された、所得税と復興特別所得税の額を分ける必要はありますか。(前回の〈Q9〉と同問)
〈A〉 分けなければなりません。
    復興特別所得税は、法人税額から控除することができません。復興特別所得税と同じく創設された復興特別法人税から控除することになるからです。
    復興特別法人税額がない場合は、復興特別法人税の申告書を提出する義務はありませんが、復興特別所得税の還付を受けるには、復興特別法人税の申告書
    を提出することになります。

〈Q8〉「復興特別法人税」について、詳しい説明書はありますか。
〈A〉 国税庁のホームページの「パンフレット・手引き」に、「復興特別法人税のあらまし」等がありますので参考にしてください。

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