税務・会計情報

「年末調整」について Vol.2

 三週目の担当となる「税理士 青島芳乃」です。まだ二回しか書いてないのに既にネタに困っております。
 そこで!前回の中嶋のトピックに乗っかることにして『年末調整』のやわらかい話をお伝えします。


 サラリーマンの年末調整をするうえでの最も注意すべき点が扶養控除です。控除金額の多寡により税額への影響も大きいのです。
 以下は実体験の相談事案です。
①大学生の息子がバイトで結構稼いでいた。
②パートの妻の収入が意外に多くなっていた。
③苦学生と言っていた娘が実は働いていた。
④特定口座で株の売買をしていた妻が確定申告をした。

 まずは①のケース。税務署から秋ごろに届く「年末調整の是正通知」(=年末調整の誤りを修正する為の通知)の最も多いケースが①と②です。東京の大学に通う息子さんが一生懸命アルバイトした結果、年間103万円を超える収入があり扶養親族とならなくなってしまった。
特定扶養控除63万円×税率20%(だと仮定して)=126,000円納税

 次に②のケース。パート収入が103万円までなら配偶者控除が受けられますし、103万円を超えても141万円未満ならば収入金額に応じて配偶者特別控除が受けられます。
配偶者控除38万円×税率20%(だと仮定して)=76,000円納税
 ただ怖いのが控除対象配偶者とならなくなって追徴税額76,000円を納めることだけではなく、勤務先から扶養家族だからという理由で家族手当を受給されている旦那様の場合は・・・人事担当者との面談により一年分の家族手当を全額返金ということになりかねません。月額の家族手当×12ヶ月分=シャレにならない金額
 年末に源泉徴収票をもって弊事務所に駆け込んできた奥様(クライアントの従業員)に泣き付かれたことがありますが・・・こればっかりはなんともなりません。

 そして③のケース。ご家族のコミュニケーションを図ってください、と言うしかないのですが、意外にこのケースはあります。

 充分注意したいのが④のケース。源泉有りの特定口座で株の売買及び配当金を収受している専業主婦が還付金目当てに確定申告すると、所得金額によっては旦那様の扶養となれないケースがあります。どの程度の所得かによりますので、還付金の多寡をご夫婦で熟考して頂いたうえで奥様が確定申告するか否かをお決め頂きたいです。


 ご相談はお早めに。年末調整が原因で家族がモメた・・・なんて事の無いようにお祈り申し上げます。

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