税務・会計情報

確定申告における医療費控除について

12月に入り今年も残すところあとわずかとなりました。
最近急に寒くなり、また、忘年会シーズンで外に出る機会も多い時です。年内やり残しがないよう体調管理を万全にと思っていた矢先、体調を崩してしまいました。皆様もくれぐれもお気を付けください。

第11回目のテーマは「確定申告と医療費控除」を税理士山田知広がお送りします。

 前回まで2回にわたって年末調整についてお知らせしました。サラリーマンにとっての年末調整は、1年間の税金の精算という意味において、個人事業者にとっての確定申告のようなものです。確定申告の申告要件に該当しない方は、この年末調整の手続きで税金の整理は終了となります。
所得の捕捉率として「クロヨン」とか「トーゴーサン」とか言うものを聞いたことがあるかと思います。簡単に言うとサラリーマンに代表される給与所得者は、その収入のほぼすべてを捕捉され納税しているということです。

 そんなサラリーマンでも確定申告をすると税額が戻ってくるもののうち代表的なものが医療費控除ではないでしょうか。
家族のものはダメ?
自由診療はダメ?
タクシー代はダメ?
10万円以上ないからダメ?
など、よく聞かれる質問ですが、条件付きながらすべて「OK」です。もともと控除できる医療費は、「納税者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費」です。医療費かどうかですから、保険診療であるか自由診療であるかも問題ではありません。
タクシー代についても、国税庁の資料に「タクシー代については、一般的にはそのすべての金額が医療費控除の対象となるわけではありませんが、(中略)病状からみて急を要する場合や、電車、バス等の利用ができない場合には、その全額が医療費控除の対象となります。」とありますから条件付きで控除対象となります。
また、医療費控除の対象額は、10万円以上ではなく、総所得金額200万円未満の方の場合、総所得金額等×5%以上あれば控除でき、集計した結果、10万円に満たない場合にも控除できるケースがあります。
 
 そして、医療費を支払ったことを簡単に証明することができるのは領収証です。確定申告においては、1月~12月までに支払った医療費を集計する必要があります。師走の忙しい時期ですが、不足している領収証などがあれば再発行もしくは支払額証明書等の依頼をし確定申告に備えましょう。

長引く不況の影響で、平均収入は減少を続けていますし、ある民間企業の調査では、サラリーマンのお小遣いはバブル期の半分程度に減少しているようです。そんな大切なお金ですから認められた仕組みの中で、手間をかけ支払う税額も節約しましょう。

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