税務・会計情報

消費税の軽減税率

 新年になって、1回目の担当になります「税理士 中嶋昌啓」です。
 本年もよろしくお願いいたします。
 先々週に「山田税理士」が掲載しました「確定申告の基礎知識1(文中)」に引き続き本来は「2」をお届けすべきでしょうが、独断と偏見?で、今回は「消費税の軽減税率」について掲載いたします。

 ご存知のように、日本の消費税率は、現在一律に5%(地方消費税を含む)ですが、経済成長率の条件があるものの、平成26年4月から8%、平成27年10月から10%に引き上げる法案が成立しています。
 
 その中で、現在、平成25年度税制改正大綱の策定に向けて、「消費税の軽減税率」の導入が議論されています。
 
 「消費税の軽減税率」とは、税率を一律ではなく複数にして、生活必需品等定められたもの品目等については、基本税率より低い税率を適用するというものです。

 自民党は平成27年10月の税率10%の引き上げ時に軽減税率を導入する考えが強いようですが、平成25年度税制改正大綱に盛り込むかも含めて現在議論されています。

 基本税率が高くなるにしたがって、生活必需品等、生活をしていく上で必ず支出するものは、やはり贅沢品等とは区別して低い消費税率にしてほしい、すなわち「軽減税率」は導入すべきというのが多数の消費者の考えだと思います。

 諸外国では、軽減税率を導入している国が多いようですが、軽減税率を導入の際に必ず問題になるのが「対象品目の選定」です。
 
 先日のニュースでも、「対象品目を米やみそ、しょうゆなどに限定し」といったコメントに対し、「塩はだめなのか」といったように、これは比較的単純な例ですが、現実的には、例えば多種類の食料品の中で、「どこで線引きするのか」が、今後最も難航するのではないでしょうか。
 
 また、決まった後にやらければならないのが、「企業や商店の会計システム等の変更」になります。これにも十分な準備期間が必要となってきますので、早期に十分な検討をし公平感を持って決めてもらいたいものです。

 では、最後に諸外国の軽減税率の線引き例をご紹介します。
 
 [イギリス]  基本税率20%  軽減税率(食料品0%)
 ・「クッキー」・・・「チョコ付き」は基本税率の「20%」
           「チョコなし」は食料品で「0%」

 [フランス]  基本税率19.6%  軽減税率(食料品5.5%)
 ・「キャビア」・・・基本税率の「19.6%」
 ・「トリュフ・フォアグラ」・・・食料品で「5.5%」

 [ドイツ]  基本税率19%  軽減税率(食料品7%)
 ・「ハンバーガー」・・・「店内で食べる」と外食で基本税率の「19%」
               「テイクアウト」だと食料品で「7%」

 [カナダ]  基本税率6%(別に州ごとに付加価値税等有り)  軽減税率(食料品0%)
 ・「ドーナツ」・・・「5個以内」は外食で基本税率の「6%」
           「6個以上」だと食料品で「0%」

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