税務・会計情報

中小企業金融円滑化法の期限到来について

今日から4月です。

先月29日、参議院において、平成25年度税制改正関連法案が予定通り成立し、概ねすでにご案内の税制改正大綱通りの内容となっております。
この4月1日以降、今回成立した新たな税制がスタートしたり、経済全体で言えば、黒田日銀がどのような金融政策を打ち出していくか大変興味深いところです。

一方、始まるものがあれば終わるものもあり、中小企業者を対象とした金融円滑化法は3月31日をもって期限切れとなりました。中小企業者にとって今回の期限切れがどのような影響を及ぼすか注意していく必要があります。


【金融円滑化法の概要】
 平成20年秋以降のいわゆるリーマンショックに始まる金融危機、その後の景気低迷等による中小企業の資金繰り悪化等に対し、平成21年12月、約2年間の時限立法として施行されました。
 具体的には、金融機関等は課された努力義務に対し、貸付条件の変更等(元本返済の猶予等)により、中小企業を支援してきました。当初の期限を迎えても依然として企業を取り巻く環境が厳しいことから、平成24年3月、その後平成25年3月まで再延長されております。


【金融円滑化法期限切れ後の対応】
 政府は、金融円滑化法の期限切れをきっかけに中小企業が大量に倒産することを避けるために、平成24年4月、早々に中小企業支援のための政策を公表しています。(リンク参照)これらによれば、中小企業の経営改善及び事業再生の促進を図るため、各関係省庁及び関係機関が連携し取り組むことがうたわれています。

 この中に、「自助努力による経営改善や抜本的な事業再生・業種転換・事業承継による経営改善が見込まれる中小企業に対して・・(以下省略)」とあるように、すべての中小企業が今までと全く変わらない支援が受けられるというわけではなく、あくまで、再生が見込まれる中小企業に対しては、今まで以上の積極的な支援を行っていくように考えられます。

 東京商工リサーチの調査によれば、中小企業者の約1割が金融円滑化法による返済猶予を申込み、そのうち約9割の申請が認められ、実際返済を猶予されています。今回の期限切れに伴い、即支援打ち切りといった可能性は低いものの、申請時に作成した事業計画通りに業績が推移せず、再建計画と大きく乖離している状況の企業は、早急に修正事業計画を作成し、その実行に取り組まなければ、各金融機関の支援の内容は異なってくるのではないでしょうか。

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