税務・会計情報

非嫡出子の相続

今年9月、非嫡出子の相続に関する格差が違憲であるとの最高裁判決が出ました。この判決には、様々な意見があるものと思いますが、最高裁は、日本社会に法律婚制度は定着しているが、家族の形態は多様化していること、また、父母が婚姻関係にないという子にとって選択の余地がない理由で不利益を及ぼすことは許されない等の理由で、違憲の判断を下しています。

この最高裁判決を受け、政府は11月12日の閣議で、結婚していない男女間に生まれた非嫡出子の遺産相続に関する格差規定を削除する民法改正案を決定しました。この改正案は今国会中に成立する見通しです。

この民法改正案の閣議決定よりも前に、すでに国税庁では平成25年9月5日以降の相続税における取扱いの変更を公表しています。

公表されている内容によれば、その取扱いは3つのケースに分かれます。
(1) 平成25年9月4日以前に相続税額が確定している場合
平成25年9月4日以前に、申告等により相続税額が確定している場合には、相続税額の修正はできません。

(2) 平成25年9月4日以前に確定していた相続税額が異動する場合
平成25年9月4日以前に、申告等により相続税額が確定している場合において、同年9月5日以後に、相続人が、財産の申告漏れ、評価誤りなどの理由により、更正の請求書若しくは修正申告書を提出する場合には、改めて相続税額を確定する必要があります。これらの新たに確定すべき相続税額の計算に当たっては、嫡出に関する規定がないものとして(判決後の相続分に基づいて)、更正の請求又は修正申告に係る相続税額を計算します。

(3) 平成25年9月5日以後に新たに相続税額が確定する場合
平成25年9月5日以後に、相続税の申告書を提出する場合には、嫡出に関する規定がないものとして(判決後の相続分に基づいて)、当該申告に係る相続税額を計算します。


先日、弊社の主催で相続税セミナーを開催いたしました。ご参加いただきました皆様にはこの場をお借りして深く御礼申し上げます。その際、ご参加いただいた方の中から最高裁判決後の相続税の取り扱いについてご質問を受けましたので、改めてご説明させていただきました。

▲PAGETOP