税務・会計情報

労働者の駆け込み寺のパタ-ン

 今年最後の更新となりました。クライアントの皆様並びに当事務所のホ-ムペ-ジを閲覧して頂いた皆様、大変お世話になりました。御礼申し上げます。
 残すところ数日となりましたが、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

(1)労働基準監督署へ駆け込み、自社の法違反をリ-ク
 この場合、内容にもよりますが高い確率で労働基準監督署による会社への調査が行われ、労働基準監督官と言われるお役人のプロの目による厳しいチェックがなされます。
 そして、法律に違反している部分に対しては是正勧告と呼ばれる行政指導がなされます。この是正勧告に応じない場合には、業務停止命令や工場の操業停止命令といった厳しい処置がとられる恐れがありますので、税務署と同じく労働基準監督署は会社にとっては非常に怖い存在になります。役所のチェックポイントは経験則上、マニュアル化されておりますが、何を見られても大丈夫な組織体制が必要になります。

(2)企業外労働組合(ユニオン)に助けを求める
 自分の会社にある自社社員だけで構成される企業内単独労働組合は以前に比べはるかに減っていますが、反面、いつでも、誰でも、一人でも入れる外部の労働組合(ユニオン)があることが認知されてきています。
 通常企業内労働組合であれば、お互いの立場が分かっていますのでそこまで無茶なことは要求してきません。しかし、ユニオンは外部団体であり、しがらみがない為、法律論での真っ向勝負となります。
 こうなると、会社は労働組合と「団体交渉」をする必要がでてきます。これは非常に労力を要します。ユニオンとの争いは風評被害も懸念されますし、団体交渉により決着が着かなければ、裁判といった訴訟問題にまで発展することも想定されます。
 そうなっては弁護士費用がいくら・・・、裁判に負けた場合には・・・
 とにかく、非常にたくさんおお金と時間が消費されてしまうことです。

(3)弁護士、司法書士等の専門家へ相談する
 今まであまり普及してこなかった、労働者側に立ちビジネスする弁護士や司法書士が増えてきました。例えばサ-ビス残業で未払い賃金がある場合、本人がいきなり裁判を起こすことはまれです。一般的には専門家から会社宛に内容証明郵便にて請求書を送ることから始まります。まれに、労働者の行動によっていきなり裁判所から書面がくることもありますが。法テラス制度なども徐々に認知され、以前に比べ弁護士等が労働者にとって身近な存在になってきていることは事実です。請求書が届いた場合には交渉により和解するか、そのまま争って裁判になるか、という選択になります。

 労働者がどこに駆け込むかは別にしても、本業以外のことで多大な労力をかけられることは言うまでもありません。加えて、故意、過失を問わず法令に違反していれば当然是正を求められます。
 会社にとって最も危険な未払い賃金に関するトラブルの場合、賃金には2年の時効がある為、過去に遡って支払命令がでることもあり、労務トラブルが経営に大きな被害をもたらすケ-スもでてきています。
 こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、前回お話した就業規則の内容や労働者個々との労働契約等の書面関係、そして日頃の労務管理が非常に重要になってきます。お困りの際には何なりとご相談下さい。

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