税務・会計情報

女性の活用で老後が大きく変わる!

 引き続き政権を担当する安倍内閣の要請に応じて、賃金や賞与のベ-スアップを決める企業はあるかと思いますが、企業のほとんどが大企業のような気がします。中小企業にお勤めの方には、まったく蚊帳の外、というのが実情だと感じます。ではどうすれば収入を増やすことができるのか。現実的なのは個人の収入ではなく世帯収入を増やすことです。すなわち、選挙公約にもありましたが、妻に稼いでもらうこと(女性の活用)です。

 妻の働き方次第で生涯収入は大きく変わる(85歳までの妻の収入と仮定)

 ①ずっと専業主婦・・・・・・・・・・・・・・・・1573万円
  国民年金のみ78万6500円×20年

 ②正社員8年、子育て7年、パ-ト23年・・・・・7948万円 
  うち年金は118万4100円×20年=2368万円
  平均月収15万円と仮定
  パ-トでも6375万円増える!

 ③正社員8年、子育て7年、正社員23年・・・1億0923万円
  うち年金は136万9600円×20年=2739万円
  平均月収22万円と仮定

 ④正社員38年・・・・・・・・・・・・・・・1億6160万円
  うち年金は169万6200円×20年=3392万円
  平均月収28万円と仮定

 妻の働き方によって収入にどの程度の差が生じるか試算してみました。給料については厚生労働省のデ-タ、年金については現行制度を採用しています。

 一度も働いたことがない①専業主婦の場合、賃金としての収入はゼロ。将来、受給できる公的年金も、国民年金のみで年額約79万円、20年で1573万円となります。
 対して④23歳から60歳までの38年間、正社員として働く場合には、賃金収入は1億2768万円。公的年金には厚生年金が上乗せされ、年額で約170万円。20年受給した場合の生涯収入は1億6160万円を超えます。専業主婦の実に10倍以上。
 実際、出産、子育てを担う主婦が正社員として働くのは、環境面から考えても大変かと思います。では、子育てがひと段落してから仕事を再開すると収入はどう変化するでしょうか。
 ③正社員として8年働いたあと、7年間中断し、その後23年間正社員として働いた場合について試算すると、年金と合わせて生涯収入は1億0923万円となります。
正社員の立場を確保するのはハ-ドルが高いですが、②パ-トタイマ-でも生涯収入は約8131万円。パ-ト勤務でものかなりの世帯収入アップが図れます。
  
 従業員規模が501人以上の企業で週20時間以上、1年以上勤務見込みで、1ヶ月のパ-ト代が8万8000円以上の場合、厚生年金の加入することになり、手取り額は減りますが、年金の受給額が増えるのは大きいのです。(2016年10月から)

 安定した収入がない場合、離婚などで単身になった際、家を借りられない、クレジットカ-ドも作れない等々で愕然としたという事例が少なくないです。働いていて収入を得ることは、家族の、そして自身の安心につながります。
 
 またリストラ、病気などで、万が一、夫が働けなくなった際にも、妻に収入があれば一定のセ-フティ-ネットになります。

 少子高齢化、労働人口の減少、産業の衰退と日本の将来に明るい話題はありませんが、政権には柔軟で素早い対応を、夫の皆さんには妻が働くことへ全面的に協力することで、再度、この国に活力が出てくることを願い、社労士・大城の2014年最後の掲載を締めたいと思います。

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