税務・会計情報

相続税調査って怖い?!

 何も心当たりがないのですが、税務調査づいています。現時点で予約済みのものを含めると本年7月以降6件です。因みに5月に2件こなしています。

 7月以降の6件のうち2件が相続税調査です。なぜ7月から数えるかというと、7月が税務署の異動時期だからです。相続税の税務調査は、9月から11月が一番集中する時期となっています。
 異動後、早めに着手することによって入念に調査できるからでしょう。年が明けると所得税の確定申告で忙しくなるため、一時中断もしくは調査終了となるため調査官にとって11月までが勝負となります。


 相続財産がいくらあると、税務調査が入るか?
 調査時期は申告期限から1年~3年弱といったところでしょうか。
 相続財産(プラスの財産)から借入金などの債務(マイナスの財産)を差し引いた課税価格が首都圏では3億円と言われていますが、地方では2億円未満でも調査があった実例もあります。これは地域・所轄税務署の規模によるところが大きいかもしれません。

 また、申告義務があるか否かギリギリのラインでも調査はあります。そういった場合は税務署から相続税申告書あるいは「相続税のお尋ね」が届く場合があります。相続税申告書や相続税のお尋ねが相続人代表者へ郵送されてきたときは、被相続人がそれなりの財産を持っている事を税務署が把握していることを意味します。

 相続税の申告書や相続税のお尋ねは、例年は申告期限の2ヶ月から3ヶ月前に送られてきますが、本年は大きな改正がありましたので時期が読めません。


 相続税の税務調査とは被相続人の職業・人柄・趣味・交友関係・日々の過ごし方、雑談とも思える会話の中からもお金の流れを掴んでいこうとする調査官との対応になります。収入だけでなく、どんな遣い方をしていったのかという支出の流れも重要です。

 通常、税務調査は被相続人の自宅で行われることが多いです。その時点で自宅がない場合(売却済・転居済み)は代表相続人の自宅となります。全ての相続人が同席する必要はありませんが、調査過程で何かしらの証拠が判明した場合には相続人を名指しして同席を求められることもあります。
 最近は金融財産も多岐にわたるので、自宅に置いてあるカレンダーやメモ帳などから取引銀行・証券会社が判明することもあるというのが新聞に出ていましたが、特段驚くようなことはありません。葬儀の際の芳名帳は私の経験上ほとんどのケースで閲覧を求められます。
 相続人でない嫁や孫名義の通帳まで調べることはもとより、多額の出金(払い出し)をした際の金融機関の防犯カメラ・筆跡も確認します。

 こういったことを知って税務署は怖い!と思われる相続人もいらっしゃるかもしれません。
 かたや、誤った申告をしてしまった納税者を正しく導いてくれる…と捉えることもできます。
 プライベートに踏み込むわけですから、拒否したくなるお気持ちもわかります。その場合は調査官にその旨伝えてみることも必要です。実際、被相続人の日記が未だに見れないとおっしゃる相続人の方からは、日記の提出は求めない調査官もいらっしゃいました。
 正しい納税をしようという気持ちは伝わるものだと考えております。

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