税務・会計情報

平成28年度税制大綱 消費税還付スキームの防止

確定申告も後半戦となりました。
個人の不動産業者の方は、一度は聞いたことがあるかもしれない消費税還付スキーム。
平成28年の税制改正大綱でこのスキームを封じる内容が発表されました。

(1)消費税還付とは
消費税の計算においては、売上に係る消費税と経費に係る消費税の差額を国に納付することとなります。
※簡易的な方法による申告もあります。
しかし、不動産等高額な資産を購入すると、経費に係る消費税額の方が大きくなり、消費税が国から還付されるというスキームでした。
不動産投資業界でブームとなり広がっていきました。

国としては、この消費税還付は法律上予定したものではなく、何度か法律改正をし封じ込めようとしてきました。
法律改正をしても今までは抜け道がありましたが、今回の大綱ではこの抜け道も封じる内容となりました。

(2)大綱の内容
高額資産を取得した場合における消費税の中小事業者に対する特例措置の適用関係の見直し

① 事業者(免税事業者を除く。)が、簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額資産の課税仕入れ又は高額資産の保税地域からの引取り(以下「高額資産の仕入れ等」という。)を行った場合には、当該高額資産の仕入れ等の日の属する課税期間から当該課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度は、適用しない。
(注)上記の「高額資産」とは、一取引単位につき、支払対価の額が税抜1,000 万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産とする。

② 自ら建設等をした資産については、建設等に要した費用の額が税抜1,000万円以上となった日の属する課税期間から当該建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間において、上記①の措置を講ずる。

③ その他所要の措置を講ずる。
(注)上記の改正は、平成28 年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合について適用する。ただし、平成27 年12 月31 日までに締結した契約に基づき平成28 年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合には、適用しない。

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