税務・会計情報

所得拡大促進税制

10月1日に消費税率が5%から8%へ引き上げられることが閣議決定されました。同時に消費税率の引上げによる反動を緩和し、景気の下振れに対応するための経済パッケージも決定されました。
今回の税務会計情報では、経済パッケージのうちの一つ「所得拡大促進税制」について確認したいと思います。


【1.概要】
 青色申告書を提出する法人が、各事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、その法人の「雇用者給与等支給増加額」の10%の税額控除が認められる制度です。

【2.適用要件】
①「雇用者給与等支給額」が「基準雇用者給与等支給額」と比較して5%以上増加していること
②「雇用者給与等支給額」が前事業年度の給与等支給額を下回らないこと
③「平均給与等支給額」が前事業年度の平均給与等支給額を下回らないこと

【3.Q&A】
Q1他の税制措置との適用関係はどうなるか?
→雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除制度(雇用促進税制)、復興産業集積区域において被災雇用者等を雇った場合の法人税額の特別控除などとは選択適用となります。

Q2雇用者給与等支給額とは?
→国内雇用者に対して支給する給料、賞与並びにこれらの性格を有する給与の額で、適用事業年度において損金に算入される金額をいいます。
ただし、役員の特殊関係者や使用人兼務役員に対して支給する給与や退職手当は除かれます。

Q3国内雇用者とは?
→法人の使用人のうち国内の事業所に勤務する雇用者をいい、雇用保険一般被保険者でない者も含みます。
ただし、役員の特殊関係人や使用兼務役員は使用人から除かれます。

Q4基準雇用者給与等支給額とは?
→平成25年4月1日より前に事業を行っている法人の場合には、平成24年度の「雇用者給与等支給額」が「基準雇用者給与等支給額」となります。

Q5雇用者給与等支給増加額とは?
→「適用事業年度の雇用者給与等支給額」△「基準雇用者給与等支給額」

Q6平均給与等支給額とは?
→「雇用者給与等支給額」から日々雇い入れる者に係る金額を控除した金額を、適用事業年度における給与の月別支給対象者(当該適用事業年度に含まれる各月ごとの給与等の支給の対象となる国内雇用者のうち日々雇い入れる者を除きます。)の数を合計した数で除して計算した金額をいいます。

Q7中小企業者等に該当するかどうかの判定の時期はいつか?
→適用を受ける事業年度終了の時の現況によって判定するものとします。

Q8出向先法人が給与負担金を支出している場合、どちらの給与等支給額に含めれば良いか?
→出向先法人が出向元法人へ出向者に係る給与負担金の額を支出する場合において、当該出向先法人の賃金台帳に当該出向者を記載しているときには、当該給与負担金の額は、「国内雇用者に対する給与等の支給額」に含まれます。

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