税務・会計情報

国外居住親族に係る扶養控除等の適用について

 国税庁から国外居住親族に係る扶養控除等について、リーフレットとQ&Aが公開されました(平成27年9月25日)。

<改正背景>
 扶養控除の適用を受ける際に、扶養控除の要件を満たしていることを証明する書類を添付することが法令には定められていません。このため、税務署は、必要に応じて市町村の住民票や給与支払報告書等を調査することで、扶養控除の要件を満たしているかを確認しています。
 これに対し、国外に居住する扶養親族については、平成25年度決算検査報告によると、親族関係書類の発行年月日が古かったり、控除対象扶養親族の生存や住所を確認することができないなど、扶養控除の要件を満たしているか十分確認できないまま扶養控除が適用されており、改善が必要な状況でした。

<改正内容>
 平成27年度の税制改正により、給与又は公的年金等の源泉徴収や年末調整時に、国外居住親族(非居住者である親族)に係る扶養控除や配偶者控除の適用を受ける居住者は、その国外居住親族の「親族関係書類」や「送金関係書類」を源泉徴収義務者に提出又は提示しなければならないこととされました。
 この改正は、平成28年1月1日以後に支払を受けるべき給与等及び公的年金等について適用されます。

<親族関係書類>
 国外居住親族が居住者の親族であることを証するもので、次のいずれかの書類をいいます。
① 戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し
② 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるもの)

<送金関係書類>
 居住者がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に行ったことを明らかにするもので、次のいずれかの書類をいいます。
① 金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により居住者から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類
② クレジットカード発行会社の書類又はその写しで、国外居住親族がそのクレジットカードで商品等を購入したこと等により、その商品等の購入代金に相当する額の金銭を居住者から受領したことを明らかにする書類

<「親族関係書類」及び「送金関係書類」の提出・提示の時期>
○ 国外居住親族に係る「給与所得者の扶養控除等申告書」を給与支払者に提出する者は、「親族関係書類」を併せて提出又は提示し、年末調整時に給与支払者に「送金関係書類」を提出又は提示する必要があります。
○ 国外居住親族に係る「従たる給与についての扶養控除等申告書」や「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の提出する場合には、「親族関係書類」を併せて提出又は提示する必要があります。
○ 年末調整の際に、非居住者である配偶者の「給与所得者の配偶者特別控除申告書」を提出する者は、給与支払者に提出する際に「親族関係書類」と「送金関係書類」を併せて提出又は提示する必要があります。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/kokugaifuyou_leaflet.pdf

▲PAGETOP